会社設立後の手続き
設立後には官公庁関係への手続きが必要
会社の設立が完了したら、下記に掲げる関係官公庁に税金関係や社会保険関係の届け出が必要となります。税金に関しては税務署、都道府県事務所、役所、年金や保険関係は日本年金機構(旧社会保険事務所)、労災保険は労働基準監督署、雇用保険はハローワークなど、 様々な役所への手続きが必要となります。
1.税務署
2.都道府県税事務所
3.役所(役場)
4.日本年金機構(旧社会保険事務所)
5.労働基準監督署
6.公共職業安定所(ハローワーク)
そして、手続きは従業員を雇用する場合と、従業員を雇用しない場合とでは異なります。従業員を雇用しない場合の方が、手続きは簡単ですので、最初に説明をします。
◆従業員を雇用しない場合
(1)税務署 | 法人設立届出書 給与支払い事務所等の開設届書 青色申告承認申請書 |
(2)都道府県税事務所 | 法人設立届出書 |
(3)市町村役場 | 法人設立届出書(東京23区内に設立の場合は不要) |
(4)日本年金機構 | 健康保険・厚生年金保険新規適用届書 |
◆従業員を雇用する場合
(1)税務署 | 法人設立届出書 給与支払い事務所等の開設届書 青色申告承認申請書 |
(2)都道府県税事務所 | 法人設立届出書 |
(3)市町村役場 | 法人設立届出書(東京23区内に設立の場合は不要) |
(4)日本年金機構 (旧社会保険事務所) | 健康保険・厚生年金保険新規適用届書 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届書 |
(5)労働基準監督署 | 労働保険関係成立届書 労働保険概算保険料申告書 適用事業報告書 |
1.税務署へ提出する書類
法人を設立にともない、法人税、消費税、源泉所得税等国税を納める義務が発生します。したがって「法人設立届出書」は必ず提出する必要があります。税務署へ提出する書類はホームページからすべてダウンロードすることができます。
提出書類の名称 | 添付書類 | 提出期限 |
法人設立届出書 ※法人税の納税対象となったことを届け出る書類 (1)法人設立届出書は、各都道府県税事務所および市区町村役場にも提出する必要があります (2)資本金一億円以上の法人の場合は、2通必要になります | ・定款のコピー ・登記簿謄本(履歴事項全部証明書) ・株主名簿のコピー ・現物出資があるときは出資者の氏名、出資金、出資の目的物の明細を記載した書類 ・設立時の貸借対照表 | 設立より2カ月以内 |
給与支払事務所届出書 ※給与の支払いが発生する事務所であることを届け出る手続き | なし | 設立より1カ月以内 |
青色申告承認申請書 ※青色申告の適用を受けるために必要な書類 | なし | 設立より3カ月以内、もしくは事業年度の終了日のいずれか早い方の期日 |
棚卸資産の評価方法の届出書 | なし | 設立第一期の確定申告書の提出期限日 |
減価償却資産の償却方法の届出書 | なし | 設立第一期の確定申告書の提出期限日 |
源泉所得税の納期の特例の承認に関する届出書 ※従業員が10名未満の会社で、本来は毎月、納付する源泉徴収を、 半年に一度まとめて納めることが出来る制度を利用する場合のみ必要な書類 | なし | 特になし(納期の特例を受けようとする年の12月20日まで) |
消費税の新設法人に該当する旨の届出書 ※資本金が1,000万円以上の法人の場合のみ必要な書類 | なし | 事由が生じた場合、速やかに |
2.3.都道府県税事務所、市町村役場へ提出する書類
都道府県税事務所、市町村役場にもそれぞれ「法人設立届出書」を提出する必要があります。ただし東京23区内の法人は都税事務所への提出だけでよく、区役所へ書類を提出する必要はありません。
提出書類の名称 | 添付書類 | 提出期限 |
法人設立届出書 ※法人税の納税対象となったことを届け出る書類 | ・定款のコピー ・登記簿謄本(履歴事項全部証明書) | 自治体によって異なる。設立より2カ月以内のところが多いが、東京都と大阪府は15日以内 |
4.日本年金機構(旧社会保険事務所)へ提出する書類
提出書類の名称 | 添付書類 | 提出期限 |
健康保険・厚生年金保険新規適用届書 | ・登記簿謄本(履歴事項全部証明書) ・事業所の賃貸契約書のコピー ・労働者名簿 ・賃金台帳 ・出勤簿またはタイムカード ・健康保険・厚生年金保険被保険者証(年金手帳) ・健康保険被扶養者届 ・保険料口座振替依頼書 | 会社設立日から5日以内が望ましい ※ただし登記簿謄本が5日以内で取得できない場合、提出期限をすぎてもよい ※役員報酬が決定してからの提出となる |
健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届書 ※「健康保険・厚生年金保険新規適用届書」と同時に提出 | 扶養者がいる場合には「健康保険被扶養者届」と同時に提出する | 代表取締役(事業主)の分も提出が必要で「新規適用届書」と同時に提出する ※新たに従業員を雇用した場合、雇用した日から5日以内が望ましい |
健康保険・厚生年金保険料口座振替納付申出書 ※口座振替を希望する場合のみ必要 | なし | 口座振替を希望する場合に提出 |
健康保険被扶養者(異動)届書 ※被扶養者がいる場合のみ必要となる書類 | 被扶養者となる者の収入状況がわかる書類 ※被扶養者が失業保険受給中の場合や年金受給中の場合等、添付書類が異なりますので確認が必要です | 異動があった日から原則として5日以内 |
国民年金第3号被保険者資格取得届書 被扶養者が第3号被保険者になる場合のみ必要な書類(※「健康保険被扶養者届書」の書類の3枚目に複写として付いている) | 被扶養者となる者の収入状況がわかる書類 ※被扶養者が失業保険受給中の場合や年金受給中の場合等、添付書類が異なりますので、確認が必要です | 事由が発生してから14日以内 |
5.労働基準監督署へ提出する書類
従業員(パート、アルバイト含む)を一人でも雇い入れる場合に必要となります。ダウンロードできない書類があるため、最寄りの労働基準監督署で書類を入手しましょう。労働保険成立届については、公共職業安定所(ハローワーク)での手続きの際に必要となりますので、まずこちらの労働基準監督署の手続きを早めにすませてしまいましょう。
提出書類の名称 | 添付書類 | 提出期限 |
労働保険関係成立届書 ※雇用関係が発生した場合に必要な書類 | 登記簿謄本(履歴事項全部証明書) | 労働関係が成立してから10日以内 |
労働保険概算保険料申告書 ※労働保険概算保険料申告書と同時に提出する | なし | 保険関係が成立してから50日以内 |
適用事業報告書 ※従業員を使用するようになったら(労働基準法の適用事業になるということ)届け出る書類 | なし | 労働基準法の適用事業になってから遅滞なく |
就業規則届 ※10人以上の従業員を雇い入れた場合に必要な書類 | 過半数代表者の意見書 | 就業規則作成後、遅滞なく |
時間外労働・休日労働に関する協定届書 ※この用紙は市販されています | なし | 時間外労働・休日労働を行う日の前日までに |
6.公共職業安定所(ハローワーク)へ提出する書類
手続きをする際に「労働保険関係成立届」が提出されていることが前提ですので、まず労働基準監督署で手続きを済ませてから公共職業安定所で手続きをするようにしましょう。
提出書類の名称 | 添付書類 | 提出期限 |
雇用保険適用事業所設置届書 ※雇用関係が発生した場合に必要な書類 | ・登記簿謄本(履歴事項全部証明書) ・労働保険関係成立届(控) ・法人設立届出書(控) ・労働者名簿 ・出勤簿またはタイムカード ・賃金がわかるもの(賃金台帳など) ・雇用保険被保険者証 | 雇入れ日から10日以内 |
雇用保険被保険者資格取得届書 | 同上 | 採用した日の属する月の翌月10日までに |