税務調査を受けやすい人・法人とは?

2016年03月24日(木)7:51 午前

おはようございます。所長の樋口です。

3月15日に確定申告が無事終了し、
翌16日には事務所の打上げの飲み会で
大いに盛り上がったところです。

しかし、ホッとするのもつかの間、
税務署側は
確定申告で提出された申告書について
その税額が適正であるかどうか
確認作業に入ります。

確認のひとつの手法として
実地の税務調査があります。

税務調査に入られることは
百害あって一利なしですから、
できれば避けたいところです。

実は税務調査が入る確率は
「実調率」という数値で
国税庁が公開しており、
最新(2006年)の数値では
法人が4.9%個人は0,8%
となっています。

個人事業主は、
約100年に1回以下の確率ですから、
ほとんど税務調査を恐れる必要など
無いレベルです。

税務署職員には、
追徴課税のノルマがあります。
このノルマは金額ベースであり、
より多額の追徴課税を取った職員ほど評価が高くなり
出世にも影響するとか!?

ですから、一般的に
売り上げ1000万円未満の事業所に税務調査は入らない
と言われるのは、税務署職員たちは
小さな案件に構っている暇がないからなのです。

それでは、実際に
税務調査の対象になりやすいのは
どのようなケースなのでしょうか?


1. 何といっても事業の規模が影響

やはり税務調査の対象になりやすいのは、
売り上げや事業の規模が大きい事業者です。

税務署では、
KSKシステム(国税総合管理システム)」で
毎年の申告書のデータから
納税者の所得や税額、資産の内容などの情報を
収集しています。

そして、確定申告等の情報だけでなく、
金融機関からの情報や
法務局の登記情報などの情報から、
KSKシステムに納税者の情報を入力して
データ分析を行っています。

そのKSKシステムから得られた情報をもとに
調査対象を選定しているのです。

ですから、所得税の確定申告書の
所得が少ないのに、
預貯金の残高が増えていたりすると、
「何かほかの収入があったんじゃないか」と
疑われてしまい、調査の対象に
なることもあるわけです。

そして、売り上げや事業規模が大きくなれば、
所得税だけでなく
消費税や源泉所得税などの指摘事項も増え、
追徴課税が発生する可能性が高まります

そういう意味で売上規模が1000万円以上
(消費税の課税業者)であったり
従業員を雇っている方の事業者が、
調査の対象になりやすいといえます。


2.調査されやすい業種もある

平成26年に発表された高額申告漏れ件数
(税務調査などで申告漏れが指摘された件数)は
以下のようになっています。

順位(前年)業種一件あたりの
所得金額
一件あたりの
追徴課税額
申告漏れ割合
1(1)風俗業3,329万円1,089万円88.0%
2(2)キャバレー1,972万円433万円77.4%
3(3)バー1,226万円213万円71.1%
4(7)くず金卸売業1,055万円210万円29.9%
5(15)特定貨物自動車運送979万円95万円62.2%
6(6)プログラマー971万円98万円47.4%
7(4)畜産農業(肉用牛)927万円254万円32.1%
8(12)一般貨物自動車運送865万円108万円54.5%
9(-)建設、設備工事労務者855万円66万円64.5%
10(-)冷暖房設備工事848万円119万円43.0%



税務署の調査員も、税務調査において
できるだけ効率的にチェックをしていきたい
というのが本音ですから、
追徴課税を取りやすい「申告漏れの多い業種」は
税務調査の対象になりやすい
といえます。

他にも次のような業種が
税務調査に入られやすい業種と
いわれています。

水商売のお店 ・・・ 個人の客が多く、現金を扱うので売上をごまかしやすい
土木建設関係 ・・・ 支払の不明な金が多い
IT関係・運送業 ・・・ モノを売っているわけでないので実態が把握しにくい
・所得が多い医者弁護士など


3.富裕層への税務調査が増加

個人への税務調査については、
富裕層が多いといわれていますが、
日本の所得税は累進課税
(所得が多い人ほど税率が高くなる)なので、
修正申告になった場合、
富裕層の方が追徴税が多くなりやすいのです。

そういう意味で、お金持ちのところに
調査に入った方が効率的といえます。

また、現状の所得状況を把握しておくことで、
将来の相続税課税の情報集めになる
という別の側面もあります。


4.税理士がついていない個人事業主は税務調査が多い?

確定申告を税理士に依頼しないで
自分自身で税務署に申告書を提出している人は、
税務署の調査が多いという説もあります。

実際には税理士が関与しているかどうかは
調査が入るかどうかを決める
直接の理由にはなりません。

ただ、税理士に依頼しないで
自分自身で税務署に申告書を
提出している人は、
調査うんぬんの前に
申告書の記載自体が間違っている

ケースの方が圧倒的に多いのです。

ですので、税務署としては
その間違いの内容確認のために
調査に入らざるを得ない
という側面があるようです。


5.まとめ

マイナンバー制度が導入され、
所得が把握されやくすなることで
申告内容の間違いの指摘よりも、
申告していない人の調査が
ますます増加してくるでしょう。

税理士に依頼した場合の
確定申告の手数料は
それほど高くありません。

税務調査を受けたとき
もし申告を間違えていて
それを指摘され、説明を求められたりすると
費やす時間、心労は計り知れません。

自分で申告してあとで大変な思いをするよりも
あらかじめ信頼できる税理士に
申告を任せておいたほうが、
結局は得をすることになるはずです。

(樋口)



«   |   »

  |