医療費控除と節税(2)

2016年02月27日(土)7:00 PM

IAU税理士法人の鈴木(美奈子)です。

前回のIAUブログでは、
医療費控除の計算や
医療費控除の対象となるもの
について書きました。

それでは今回は
具体的にその節税効果をみてみます。

まず、年収500万円のサラリーマンを
例に計算してみましょう。

本人:年収500万円
          給与所得のみ
         住宅ローン控除なし
         保険料控除10万円
         年末調整 済
妻:パート収入50万円
子:15歳
 
(単位は円)

種別支払い金額給与所得控除後の金額所得控除の額の合計額源泉徴収額
給与・賞与5,000,0003,460,0001,610,39094,300


家族の医療費の合計:25万円、
保険金で補填される金額:5万円

●医療費控除の金額
25万円-5万円-10万円=10万円
(所得金額346万円×5%=17万3千円>10万円)

ここから年末調整で確定した所得税を
再計算していきます。

所得控除の額の合計額161万390円
+医療費控除10万円
=171万390円

給与所得控除後の金額から
先ほどの合計額を引きます。

246万円-171万390円=174万9,000円
(千円未満は切り捨て)

所得税金額を求めます。
174万9,000円×5%=8万7,450円

復興特別税額を求めます。
8万7,450円×復興特別税額2.1%=1,836円

所得税及び復興特別所得税
=8万7,450円+1,836円
=8万9,286円

還付される金額
9万4,300円-8万9,286円
=5,014円

源泉徴収票の源泉所得税額から
確定した金額*を引いたもの

還付金は5,014円になります。

意外と還付金は少ないと
思われるかもしれません。

医療費控除をするメリットは
還付金だけではなく、
住民税の金額にも反映されます

今回の例ですと、
医療費控除の金額は10万円でしたが、
医療費控除額10万円×10%=1万円

住民税は年額1万円安くなります

手間がかかるのに
思ったほど還付金が少ないと
思われるかもしれませんが、
所得税の還付金だけではなく、
翌年の住民税も安くなるため、
医療費控除をする価値はあると思います。

ぜひ、医療費控除で
節税をしてみてくださいね。

(鈴木 美奈子)



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